中国国家話劇院演出、孟京輝監督の話劇 ”琥珀” を見に行きました。これは去年2005年もやっていた話劇なのですが、去年は時間が合わずみにいけなかったのですね。なので、今年こそは!といってきました。

琥珀の主演は私の好きな俳優さん、袁泉、と劉イエです。袁泉はくるくると瞳がよく動いて、リスみたいで可愛いのですが彼女が以前主演した聾唖の少女役の劇もよかったですね。
劉イエは今時の若い女の子にも大変人気な俳優ですが、本日の公演でも黄色い声援が飛んでいました。彫りが深く渋い声の持ち主で、その人気ぶりも納得できるほど”帥哥”です。

劉イエ演じる「高袁」は、世の中のすべてを信じず社会を弄んでるようなプレイボーイ。袁泉演じる
「小優」という女の子に出会ったことで、最初はそんなに心を動かされたわけでもなかったのにだんだんと惹かれていくという始まりですが、心臓移植がもうひとつの鍵。

実際自分の体の中に他人の器官が移植された場合、その元の持ち主のもっていた魂とかそういったものが、移植された相手にも感じられることってあるんでしょうか。記憶をつかさどる脳とかではなくて、ただの器官であった場合にもそういうことは可能なのかどうなのか。なんだかいろいろ考えさせられます。

しかし、最近の中国の映画でもテレビのドラマであってもほとんど下に字幕が流れるので、どうもそれに頭の中身も慣れてしまってるらしく、今回の劇のようにまったく耳を頼りにするしかない場合は、普段以上にヒアリングの力が試されるので非常に厳しいですね。笑

それにしても、たった12〜3年位前、キスシーンでさえはっきりとはうつさなかった国とは思えないほど、この劇でも台詞のきわどいものが多くて驚きます。これがアバンギャルドということなのでしょうか、でも

”ええ?そんなこといっちゃっていいの?”

とこちらが心配になってしまうくらいです。笑これも”解放”なのでしょうかね??舞台設計も視覚的にいろいろ計算されてる感じで、非常に凝っていました。ちゃちいセットとかじゃなくて美しく見えるように工夫されてるようで、特に雪の場面はきれいでした。

舞台上部から白いものがパラパラ・・・となんていうありふれたのではなくて、あれはCG効果というんでしょうか、詳しくはわかりませんが、雪のベールにつつまれるように、舞台全体に雪がふっているようにみえてとても幻想的でしたね。

話劇”円明園”の監督も、”琥珀”の監督もどちらも【前衛的現代劇の監督】の位置づけだそうですが、琥珀の内容のほうが大衆受けするのでしょうか、それとも起用してる俳優が実力俳優だからでしょうか、琥珀は保利劇場の広い劇場の一階二階席すべて埋まってる大人気ぶりでした。
趣味の道楽へ